米高級百貨店のニーマン身売り、50億ドルで2投資会社へ

 【ニューヨーク=鈴木哲也】米高級百貨店のニーマン・マーカスは2日、ウォーバーグ・ピンカスなど投資会社2社に会社を売却することで、両社と合意したと発表した。売却価格は発行済み全株式の約51億ドル。高級品市場の活況をうけて業績が好調なため売却の好機と判断した。非上場化を前提に投資会社に身売りする流れが業績好調な小売業にも広がってきた。

 ウォーバーグ・ピンカスは、同じく投資会社のテキサス・パシフィック・グループと共同で買収する。ニーマン・マーカスは3月に会社売却方針を表明、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)を主体とする連合など、投資会社三グループが競り合った。株主と当局の承認を経て、11月までに手続きを完了する予定。

 ニーマン・マーカスは、リチャード・スミス会長(81)の一族が株式の約13%を保有。同氏の親族2人がともに副会長を務めるなど、一族が経営に大きな実権をもつ。過去2年間で同社の株価が三倍に上昇し、一族の資産価値が膨らむなか、スミス会長が保有株だけでなく会社全体の売却を決断した。 (00:09)